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『Arts and Life:生きるための家展』(2012年7月15日~9月30日)
用途:集合住宅 
階数:地階+2階建て
 
延床面積:44.1㎡
構造:RC造

●「生きる」と「建築」

「生きるための家という、難しい、大きなテーマに対して何を示せば良いか」
提案の検討は、「生きる」という事の根本的な意味について考え直すところから始まりました。
要綱を何度も読み返す内、ここで求められている「生きる」は「生存を保証する」という意味とは少し異なることに気付きました。
「生存」そのもの、というよりは『生きる豊かさ』が求められているように思えてきました。
そのことを考えるとき、僕たちの脳裏に過ったのは「孤独」という言葉です。
例えば東京を始めとした大都市には多くの人々が住みますが、人々の生活の多くはごく限定されており、その繋がりは地域・土地というよりも社会に基づいていて、住宅は、コミュニケーションよりもセキュリティーやプライバシーのために用意された箱であるかのように感じられることがあります。
私達が目指した建築は、地域や土地に基づく建築、コミュニケーションのために用意された建築です。


●コンセプトスケッチ


●出品作で使用されたパーツ一覧(101枚の断面図)
●境界の習作

建築においてプライバシーやセキュリティーの制御はその建築の境界、外壁や屋根においてなされます。
「おそらくコミュニケーションのための建築においても同様、その成否は境界のあり方による。」
そう仮定して建築のスタディを行いました。

「まず、外壁と屋根の区分がもっとも曖昧になる状態を目指す。」
境界の輪郭を可能な限り曖昧にすることで建築の内外に自由な関係性を持たせるためです。

さらに、一つの建物の中で、大量の断面図が生成できる造形を模索しました。断面図は、その建築のコミュニケーションの在り方を雄弁に語ります。
大量の断面図を生成する建築は、豊かなコミュニケーションの可能性をもった建築になり得るかもしれません。
上記の方針をみたす造形として、僕たちは『らせん階段』を選択しました。


●出品模型(建築イメージ)


●アーキテクト・トーク

2012年9月23日に行われたアーキテクト・トークが行われました。
菊池がトークに参加し、共同出品者の山本展久さん、建築家の藤本壮介さん、館長賞を獲得された秦彩奈さん、最優秀賞を獲得された山田紗子さんと共に作品について意見交換を行いました。


●審査委員賞

2012 年7 月15 日、【距離を縮める本棚】は『Arts and Life:生きるための家展』において、藤本壮介に選ばれました。

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