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I邸建築工事(2012年7月)
敷地:東京都中野区
用途:個人住宅 

階数:3階建+塔屋
延床面積:76㎡
構造:鉄骨造


●路地

路地の風景、路地裏という言葉は、どこかゆったりとした余裕とおだやかな時間を想起させます。ところが実際の路地裏は、過密な居住環境に悩まされている場合が多いようです。路地のゆったりとした空気感とは裏腹に、その住まいの在り方は窮屈です。そんな課題を解決するため、路地のゆったりとした空気感を住居内にまで持ち込みたいと思いました。
子ども達が遊び、大人たちがくつろぐことが出来る路地は、さながら大きなリビングルームのようです。ならば、新たに建つ建築も、そのリビングルームの延長のようになればと考えました。

●プランニング

狭小地である以上、建築は小さく積み上げざるを得ませんが、空気感としてはなるべく一つながりのものとして共有していきたい。そこで、建築全体がヴォイド(吹抜け)で構成されるような建築を計画しました。
ヴォイドを可能な限り大きく設けることで、床面積は二乗的に減少するが、気積は三乗的に増加します。またヴォイドそのものが見えない壁となり、閉じることなく空間を分節します。
ヴォイドによって緩やかに分節された空間に家具を置き、居住者は住まい方を決定します。生活が始まれば、ヴォイドは家族の気配を伝える装置として、その役割を果たし始めます。

路地の本来の機能は交通にありますが、実際の路地はそれのみにとどまらず、多様なコミュニケーションが許容される場としての働きも担っています。
路地の延長たる【吹抜けでつくる家】も、単に住むための機能を満たすだけでなく、家族に新たなコミュニケーションの可能性を提示できる建築となって欲しいと願い計画しました。

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